コーヒーノキの植物学的特徴と分布

コーヒーノキはアカネ科の常緑樹。原産地はエチオピアのアビシニア高原。熱帯地方でよく生育し、成木は約3 ? 3.5mの高さになる。厳しい剪定に耐えることができるが、冬霜がつくと成長することができない。雨季と乾季があるところが理想で、高地で最も成長する。 コーヒーノキは樹齢3-5年後から約50-60の間花を咲かせ実をつける。白い花は色と匂いがジャスミンに似ている。果実はコーヒーチェリーと呼ばれ、通常赤または紫の核果であるが、品種によっては黄色の実をつけるものもある。果肉にも若干のカフェインが含まれており食用に供される場合がある。果実が成熟するまでには約9ヶ月かかる。 果実の中には2粒の種子が向かい合わせに入っており、一般にコーヒー豆と呼ばれるものは、実そのものではなく種子の部分である。枝の先端に付く実には1粒だけ丸い種子を含むものがありピーベリーと呼ばれる。特にピーベリーのみを集めたものには、稀少価値から高価で取引されることもある。

種と栽培品種

コーヒーノキ属の植物のうち、アラビカ種 (Coffea arabica) とロブスタ種 (カネフォーラ種、 C. canephora ) が産業的に栽培されている。世界で栽培されているコーヒーの75-80%はアラビカ種、約20%がロブスタ種である。以前はこの二種にリベリカ種 (C. liberica) を足してコーヒーの3原種と呼んでいたが、リベリカ種は病害に弱く品質面でも劣るため、全生産量の1%未満にすぎない。 栽培地ごとに移入された年代や経路が異なることと、栽培の過程で変異種の発見と品種改良が行われたことにより、栽培のための品種(栽培品種)が200種類以上存在している。品種改良は特にアラビカ種で進んでおり、ブラジルとコロンビアでさかんに行われている。 従来はティピカとブルボンがアラビカ種の2大品種と呼ばれ、それぞれコロンビアとブラジルで主力品種であった。しかし、品種改良によって、収量が多く病虫害に強い品種に置き換えられてきた。その結果、コロンビアではカトゥーラとバリエダ・コロンビアが、ブラジルではカトゥーラ、カトゥアイ、ムンド・ノーボが主力品種になっている。 一方、風味の点で言えばこれらの新しい品種よりも以前のティピカやブルボンの方が優れていたと主張する人も多い。このため、これらの生産量は少ない古い品種を高価値のコーヒーとして取引する動きが出てきている。この動きは、生産地の貧困問題を解決するためのフェアトレード運動とも連動している。

代表的な栽培品種

アラビカ種: アラビカ種 (Coffea arabica L.、アラビアコーヒーノキ) はエチオピア原産。コーヒーノキ属の植物の中では、アラビカ種のみは染色体数が44(核相が2n=44。他の種は2n=22)であり、エチオピアに自生していたいずれかのコーヒーノキ属の植物が倍数化した四倍体を起源とすると考えられている。 高品質で比較的高収量で、世界のコーヒー生産において主流となっている。ただし高温多湿の環境には適応せず、霜害に弱く、乾燥にも弱い。レギュラーコーヒー用。 ロブスタ種: ロブスタ種 (C. canephora Pierr ex Froeh、ロブスタコーヒーノキ) はアフリカのコンゴが原産。学名読みではカネフォーラ種と呼ばれる。染色体数は22。病虫害に強く、高温多湿の気候にも適応する。成長が速く高収量でカフェイン含量が多い。栽培されているロブスタ種のほとんどは「カネフォーラ種ロブスタ」という変種 (C. canephora var. robusta) にあたる。焦げた麦のような香味で苦みと渋みが強く、酸味がない。主にインスタント用、あるいは廉価なレギュラーコーヒーの増量用として用いられる。 主な栽培地は東南アジアであり、旧植民地と宗主国の関係からヨーロッパ(特にフランス)での消費が多く、そのため日本では、フランスのコーヒーは美味しくないといわれている。 リベリカ種: リベリカ種 (C. liberica Bull ex Hiern.、リベリアコーヒーノキ) は西アフリカ原産。染色体数は22。高温多湿の気候に適応するが病害に弱い。品質もアラビカ種に劣るとされる。ロブスタ種と同様に個々の栽培種が区別されることは少ない。

栽培品種

栽培地ごとに移入された年代や経路が異なることと、栽培の過程で変異種の発見と品種改良が行われた結果として、栽培のための品種(栽培品種)が数多く存在している。品種改良は特にアラビカ種で進んでおり、ブラジルとコロンビアで盛んに行われている。アラビカ種が世界シェアの70%を占め、ロブスタ種はアジアで多く栽培されている。 従来はティピカとブルボンがアラビカ種の二大品種と呼ばれ、それぞれコロンビアとブラジルで主力品種であった。しかし、この二品種は収量があまり多くなく病害虫にも弱いため、品種改良によってより収量が多く病虫害に強い品種の栽培が盛んになり、コロンビアではカトゥーラとバリエダ・コロンビアが、ブラジルではカトゥーラ、カトゥアイ、ムンド・ノーボなどが主力となった。 ところが、より風味の優れるコーヒーを求める消費者の要求により、近年では低収量でも風味に優れるティピカ、ブルボンの栽培が盛り返してきている。特にコロンビアではロブスタ種との交配種であるバリエダ・コロンビアを主な栽培品種にした結果、産地としてのコロンビアの評価が大きく低下してしまったため、ティピカへの切り替えが進められている。中南米地区の国でも高級品として、これらの品種の栽培が増えてきている。

アラビカ在来種・移入種

ティピカ (C. arabica 'Typica') 中南米に移入されたアラビカ種を起源とするもの。豆はやや細長い。香りが強く上品な酸味と甘味を持つと言われる。ただ、収量は低く隔年変化するため安定せず、病虫害にも弱い。コロンビアの主力品種であり近年はカトゥーラなどの収量の多い品種に圧されて作付が減少してきていたが、最近になり主に高級品向けとして栽培が増えてきている。 スマトラ (C. arabica 'Sumatera') インドネシアに移入されたアラビカ種を起源とする品種。大粒で長円形。マンデリンがその代表。 モカ (C. arabica 'Mokka') イエメンやエチオピアで栽培されている。一種類の確立した品種ではなく、複数の在来種の混合品の総称であり、特に決まった品種名がないため、通称として「モカ種」といわれる。マタリやハラー、シダモなどは栽培している地区の名称であって品種名ではない。栽培地区の違いで微妙に在来種の構成が異なるため栽培地区の違いにより味も微妙に異なる。ここでいう「モカ」はあくまで植物の品種名としてのものである。コーヒー豆の銘柄としての「モカ」とは意味合いが異なる。 ブルー・マウンテン (C. arabica 'Blue mountain') ジャマイカに移入され栽培された品種。現在はジャマイカのほか、ケニアなどにも移入されている。ここでいう「ブルー・マウンテン」はあくまで植物の品種名としてのものである。コーヒー豆の銘柄とは意味合いが異なり、ブルーマウンテン(品種)の豆であってもケニアで生産されたものをブルーマウンテン(銘柄)とすることはない。 コナ (C. arabica 'Kona') ハワイに移入された品種。ハワイでのコーヒー生産が減少しているため高値で取引されている。 コムン (C. arabica 'Comun') ブラジルに最初に移入された品種。 ティコ (C. arabica 'Tico') 中央アメリカに移入された品種。

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